ホームページ制作の依頼、準備するものは3つだけ。先に送るか、たたき台を見てから決めるか
ホームページ制作の依頼で先に揃えるのは目的・業種・連絡先の3つ。原稿・写真・ロゴ・ドメインはたたき台を見てから。7工程で店主がやること、最初の一通の文面例、名義の注意、約90分で公開した実測1件まで。

結論: 先に揃えなくていい。最初の一通は3行で足ります

ホームページ制作を依頼するとき、先に揃える必要があるのは「何のためのサイトか」「何の商売か(業種・店名・場所)」「連絡先」の3つです。原稿・写真・ロゴ・サーバーとドメインの契約情報は、たたき台(構成案やデザイン)を見てから出せば間に合います。順序は「最小セットを一通送る → たたき台を見る → 残りを揃えながら直す」。これが一番早く、一番失敗が少ない。
理由は単純で、制作が遅れる原因は制作側の作業ではなく、発注側の提出と承認にあるからです。ENVY DESIGN の整理では、制作期間が延びる原因は「素材準備の遅れ(1〜4週間程度)」「社内承認の長期化(2〜6週間程度)」「要望の追加・変更(1〜8週間程度)」の3つで、最も多いのが素材準備の遅れです。全部揃えてから相談しようとすると、この「素材準備」が入口で立ちはだかり、相談そのものが始まりません。揃える前に相談し、見てから揃える。この記事はその順序を工程単位で示します。
全体地図: 依頼から公開までの7工程と、各工程で店主さんがやること
制作会社が違っても工程はほぼ同じです。店主さんの側でやることだけを書きます。

- ヒアリング・要件定義: 目的(集客・採用・信頼・告知のどれか)、ターゲット、予算上限、公開希望日を伝える。決まっていなければ「決まっていない」と言う
- 構成案(サイトマップ・ワイヤーフレーム): ページの数と並びを見て「このページは要らない」「これを足す」を判断する。ここが一番口を出す場所
- デザインカンプ: 色・雰囲気の好き嫌いを言う。参考サイトURLはここで効く。嫌いな例も伝える
- 実装・コーディング: 店主さんの作業はほぼ無い。原稿と写真の最終版をここまでに出す
- テスト・検収: スマホで全ページを開き、電話番号・住所・営業時間・料金を自分の目で確認する
- 公開: ドメインとサーバーの契約者情報を渡す(名義は後述)
- 運用・改善: 更新担当を決める。公開して終わりにしない
期間と費用の一般的な目安も並べておきます。株式会社PLAN-B ブログ は料金相場を「120万円〜」、制作期間を「3ヶ月〜半年くらい」と置いています。ENVY DESIGN の工程表では企業サイト10ページ前後で、原稿・素材の提出が2〜4週目にあたって「最も遅れやすい」工程とされ、デザイン確認が3〜5週目、検収が公開前1〜2週です。工程表を見ると分かるとおり、店主さんの提出物が要るのは序盤ではなく2〜4週目。だから最初の一通に原稿は要らないのです。
一方で、私たちが公開している実測は別の数字です。5ページのサイトをご依頼から約90分で公開した事例が1件あります(鎌倉の古民家カフェ)。これは実測1件であり、全員にこの時間を約束するものではありません。ただ、「月単位が当たり前」という前提が作り方しだいで変わることの証拠にはなります。詳しくは後半で。
準備するものを二分する: 最初の一通に要るもの/見てから出すもの
多くの解説記事は準備物を一列に並べますが、店主さんに必要なのは「いつ要るか」の区別です。ファーストネットジャパン ブログ は依頼項目を「相談前にわかればよいこと」「契約前に決めること」「制作開始後に具体化できること」の3段階に分けています。私たちはこれをさらに実務寄りに、2列に割ります。

| 準備物 | 最初の一通に要るか | 無くても進む代替 |
|---|---|---|
| 目的(集客・採用・信頼・告知) | 要る。一言でよい | 代替なし。これだけは決める |
| 業種・店名・場所 | 要る | 代替なし |
| 連絡先(電話・メール・LINE) | 要る | 代替なし |
| 公開希望日・予算上限 | あれば書く | 「未定」で進む |
| 参考サイトURL(好き・嫌い) | あれば2〜3件 | デザイン段階で聞かれてから探す |
| 原稿(テキスト) | 要らない | 既存資料から制作側が起こす。範囲と費用は会社による |
| 写真素材 | 要らない | スマホ撮影で足りる。フリー素材は限定的に |
| ロゴデータ | 要らない | 店名を文字で組む |
| サーバー・ドメイン契約情報 | 要らない | 公開前に名義を決めて渡す |
| 既存資料(チラシ・名刺・SNS・現サイト) | あれば送る | 無ければ無いで進む |
上の3行だけ揃えば一通目は送れます。残りは、たたき台を見て「こういうページができるなら、この写真が要るな」と分かってから集める方が、集める量が減り、迷いも減ります。
最初の一通の文面(そのまま使える例)
書くのは5行です(例文は架空の店です)。「○○市で小さなパン屋をやっています。ホームページの目的は、近所の人に営業日と新作を知ってもらうことです。載せたいのは商品・店内の写真・アクセス・お知らせの4つくらい。写真はスマホで撮ったものがあります。ロゴはありません。公開は来月中を希望、予算は月額で考えています。」
これで制作側は、ページ数の見当(5ページ前後)、写真の手配が要るか(要らない)、ロゴをどうするか(文字で組む)、期日と費用の枠を一度に把握できます。返ってくるのは通常、追加の質問か、見積と工程の提案か、たたき台のいずれかです。この時点で「全部用意してから来てください」と返す会社なら、そこは店主さんの提出待ちで工程が止まる会社です。選ばなくてよい。
送り方(LINEで写真をまとめて送る操作など)は別の記事で扱います。この記事は「何を、どの順で」に絞ります。
既存素材の棚卸し: そのまま原稿の土台になる順
原稿を白紙から書く必要はありません。手元の資料を、原稿に転用しやすい順に並べます。上から順に探してください。
- Googleビジネスプロフィール: 住所・営業時間・電話・写真・口コミが既に整理されている。トップページとアクセスページの土台
- メニュー表・料金表・チラシ: 品名と価格がそのまま料金ページになる
- 名刺・ショップカード: 店名の正式表記、ロゴの有無、URLの有無が分かる
- Instagram・Facebookの投稿: 写真と一言キャプションがそろっている。こだわりページの素材
- 会社案内PDF・パンフレット: 沿革・代表の言葉・理念。会社概要ページの土台
- 求人票(ハローワーク・求人サイト): 勤務条件が整理済み。採用ページの土台
- 現在のホームページ: 引き継ぐ文章と捨てる文章を仕分けする。ドメインの名義もここで確認する
どれも「作り直す」のではなく「写す」ための素材です。資料を全部送れば、制作側で原稿を起こすのは難しくありません。ゼロからの取材・ライティングは制作費に含まれるかどうかが会社ごとに違うので、含まれる範囲は契約前に聞いてください。
写真とロゴ: 無くても進みますが、写真だけは自前で
ロゴは無くても困りません。店名を文字で組めば済みますし、後からロゴができたら差し替えればよい。写真は別です。他店や他社のサイトから持ってくるのは著作権侵害、ネット上の写真の無断使用も同じです。フリー素材の人物写真を「うちのスタッフ」として使うのは規約違反になることが多い。スタッフを写すなら本人の掲載許諾、お客様の声を載せるなら本人の許諾を取ってください。
スマホの写真で足ります。明るい時間帯に撮った、店の外観・店内・看板商品・店主の顔。この4枚があればたたき台は組めます。撮り直しは公開後でもできます。
「見てから決めたい」人へ: 費用が発生する点を先に聞く
順序の不安の正体は「たたき台を見たあとに断れるのか」です。答えは会社によって違うので、一通目の返事で次の3点を聞いてください。

- どの時点から費用が発生するか(相談・見積・たたき台のどこまでが無料か)
- 見積の内訳(「一式」だけの見積は比較できない。ページ数・原稿・撮影・保守を分けてもらう)
- 修正回数の上限、公開後の保守範囲と月額、納品物の所有権(データは誰のものか)
契約前に断る自由があるかどうかは、この3点で分かります。ここを曖昧にしたまま進めると、途中で「要望の追加・変更」が発生したときに揉めます。ENVY DESIGNの整理でも要望の追加・変更は1〜8週間程度の延びにつながる要因です。構成案の段階で足し引きを済ませ、デザインに入ったら構成を変えない。これが店主さん側でできる一番の時短です。
サーバーとドメインは店主さんの名義で。co.jpには条件があります
ドメイン(example.jp のような住所)とサーバー(置き場所)の契約名義は、店主さん自身にしてください。制作会社名義にすると、乗り換えたいとき・その会社が廃業したときに、住所ごと動かせなくなります。技術的な設定は制作側がやる仕事なので、店主さんが用意するのは契約者情報だけです。

ドメインの種類で一つ注意。JPRS JPドメイン名の登録 によると、CO.JPドメイン名は「日本国内で登記を行っている会社が登録(取得)できるJPドメイン名。1企業または1組織につき1つだけ登録(取得)できます」。JPDirect(株式会社日本レジストリサービス) は「個人事業主はCO.JPを登録できません。JPドメイン名は登録できます」と明記し、会社設立前・登記手続き中でも6カ月以内に設立予定であれば仮登録制度で登録できるとしています。個人のお店なら .jp や .com で十分です。co.jp を取りたい法人は、既に1つ持っていないかを先に確認してください。
一人で決める店主さんが事前に決めておく5項目
「承認者を1人に絞れ」という定説は、会社向けです。店主さん一人なら決裁者は最初から一人。代わりに遅延の原因は「自分の迷い」になります。即決できるように、相談前に次の5つだけ決めてください。
- 誰に来てほしいか、一人だけ思い浮かべる(近所の常連か、観光客か、求職者か)
- 一番売りたいもの、一つ(メニュー全部ではなく、看板商品)
- 載せない情報(価格を出さない、顔を出さない、など)
- 公開日(「いつか」ではなく日付)
- 払える上限(初期と月額の両方)
この5つが決まっていれば、構成案を見た瞬間に「要る・要らない」が言えます。言えれば工程は止まりません。
実工程の記録: 約90分で公開した1件
多くの解説記事は「数ヶ月」を前提に工程表を組んでいます。私たちの手元にある実測は、5ページのサイトをご依頼から約90分で公開した1件です(鎌倉の古民家カフェの制作事例)。分単位の内訳は書きません。書けるのは、私たちが普段どういう順序で作っているかと、なぜその短さが可能なのかです。

順序はこの記事で勧めているものと同じです。店主さんから目的と店の情報、写真を受け取る。私たちはまず調べる(お店、同じ町の同業、うまくいっているサイトを見て、調査メモを店主さんに渡す)。それからたたき台を作り、見てもらい、直し、公開する。これが番頭の通常の手順で、店主さんに先に揃えてもらうのは、この記事でいう「最初の一通」の中身です。
可能な理由は、実制作をAIが担い、人の工数を極端に圧縮しているからです。人月で値付けされる従来の制作では、原稿待ち・承認待ちの数週間が工程表に最初から組み込まれています。工程そのものを短くすると、待ち時間の発生する場所が減ります。繰り返しますが、これは1件の実測です。ページ数が増える、写真が無い、ドメインを新規に取る、といった条件で時間は変わります。
一般的な目安(PLAN-Bの3ヶ月〜半年、ENVY DESIGNの10ページ前後で公開前まで数週)と、この1件(5ページで約90分)は、どちらも正しい数字です。違いは作り方です。
公開した初日にやること
公開は工程の終わりではなく、商売に使い始める日です。初日に済ませることを順に並べます。
- Googleビジネスプロフィールのウェブサイト欄にURLを入れる(検索で店名を引いた人が最初に見る場所)
- InstagramなどSNSのプロフィールにURLを入れる
- 名刺・ショップカード・店頭の掲示物のURLを差し替える(印刷物は次回の増刷でよい)
- 自分のスマホで全ページを開き、電話番号をタップして実際にかかるか試す
- アクセス解析(Googleアナリティクス等)が入っているか制作側に確認する
- 更新担当を決める。営業時間・休業日・メニューの変更を誰がいつ伝えるか
最後の一つが抜けると、半年後に「営業時間が古いまま」のサイトになります。更新の手段(自分で管理画面を触るのか、制作側に送るのか)は契約前に確認してください。
よくある質問
原稿も写真もロゴも無い状態で相談していい?迷惑にならない?
構いません。相談に必要なのは目的・業種・連絡先の3つで、原稿と写真が必要になる工程は制作が始まってからです。ロゴは文字で代替できます。迷惑になるのは「決まっていないのに決まっているふりをする」ことの方で、未定は未定と伝えてください。
資料は先に送るべき?それともたたき台を見てから決めていい?
最小セットを一通送り、たたき台を見てから残りを出す順が早い。先に全部揃えようとすると素材準備の段階で止まります。ただし、どの時点から費用が発生するか、断れるかは会社によって違うので、一通目の返事でその点を確認してから進めてください。
ホームページ制作の依頼から公開まで何日かかる?最短は?
一般的な目安は規模と作り方で大きく変わります。PLAN-Bは3ヶ月〜半年を確保すべきとし、ENVY DESIGNの工程表は10ページ前後で公開前まで数週間です。私たちの公開している実測は5ページを約90分で公開した1件で、条件が違えば時間も変わります。
サーバーとドメインは自分で契約する?名義はどうする?
名義は店主さん自身にしてください。手続きや技術設定は制作側が代行できますが、契約者が制作会社だと乗り換えや廃業時にドメインを動かせません。個人事業主はco.jpを登録できないので、.jpや.comを選びます。
文章は誰が書く?制作会社に書いてもらうと追加費用は?
既存資料(Googleビジネスプロフィール・チラシ・SNS・会社案内)があれば、それを土台に制作側で起こせます。ゼロからの取材・ライティングや撮影が制作費に含まれるかは会社ごとに異なるので、見積の内訳で確認してください。
今日できる一手、頼むときに見る点、いちばん楽な道
今日できるのは、5行の一通目を書くことです。目的・業種と場所・載せたいページ・写真の有無・希望日と予算。これを書いた時点で、準備の半分は終わっています。残りは手元の資料を棚卸しの順に集めるだけです。
頼むときに見るのは3点。費用が発生する時点、見積の内訳、ドメインとサーバーの名義。この3つを一通目の返事で明かさない会社だと、あとで乗り換えや修正のときに動けなくなる恐れがあります。見積が「一式」だけ、名義が制作会社、修正回数が不明、のどれか一つでも当てはまれば、別の会社と比べてください。
いちばん楽な道は、ホームページ番頭 に丸ごと預けることです。LINEで店の話をしてもらえれば、調べて、たたき台を作って、直して、公開まで私たちが進めます。公開まで0円でカード登録もなく、公開後は月額4,900円に制作・サーバー・ドメイン・修正対応が入ります。ドメインは店主さん名義で取り、解約時は無償で引き渡します。最低契約期間も違約金もありません。今あるホームページがあれば、内容を取り込んで引っ越すこともできます。詳しい条件は 料金 と よくある質問 に、実際の制作例は 制作事例 にあります。


